コツばかりを教えて生まれる弊害とは・・・

私の講師歴は20年以上になります。

もうベテランといっていいくらいの経歴でしょうかね。

指導した塾は3つで、その後、自分の塾を開業しました。

 

その間、いろいろな生徒をいろいろな方法で指導してきました。

最初は、拙い指導でうまく説明することもできませんでしたし、そもそも知識がなかったので、良い指導とはいえなかったと思います。

 

とはいえ、試行錯誤しながら、ここまでやってきましたから、それなりの指導方法が身についたと思っています。

生徒にもわかりやすいと評価してもらうのは、ありがたい評価ですね。

 

うちの塾は90分を45分で二つに分けて指導しており、1コマで2教科を指導しています。

基本的に個別指導になると、1コマ90分で1教科というのが原則です。

複数の教科を指導できる講師がいないというのが原因ですが、あまり効率的とはいえないですよね。

 

90分で1教科だと、生徒が飽きるんじゃないかと思います。

ただ、45分はかなり短いですけどね。

 

45分という短い時間だからこそ、要領良く指導しないと、指導したい内容が終わりません。

学校では1週間に1教科に何時間もの時間が与えられているわけですから、週1回の授業で塾がそれに食らいつくのは大変なのです。

 

そのため、授業の内容を簡略化しないと、授業時間内に進めたいカリキュラムが終わらないのです。

簡略化というのは、コツを指導するということです。

本来なら、いろいろと思考させて指導していきたいのですが、上記の理由で問題を解く上で大事なコツを指導するようにしているのです。

 

コツを指導されることで、最短経路で問題を解くことができるようになります。

ムダをできるかぎり省いているので、問題を解くのが簡単になっていくのです。

 

ただ、こういう教え方をしていると、勉強ができない子ほど、応用がきかなくなるのです。

優秀な子はコツを聞いて、それを利用して問題を解くことができます。

 

一方で、勉強ができない子は、そのコツはその問題を解くことにしか使えないのです。

そうなると、勉強につながりがなくなってしまい、その分野の続きを指導しようとしても、前の知識を使って理解することができないのです。

 

本来であれば、コツというのは自分でつかむものです。

もしくは、理解しようとあがいた上で、コツをもらう方がいいのです。

最初からコツを指導するのは、あまり良い方策とはいえないのです。

 

とはいえ、時間の制約がある以上、簡略的に指導していくことは継続していかないと行けないんですよね。

なかなかにこの問題は矛盾をはらんでいます。

 

大事なことは問題を解く核心を理解することです。

そのためにも、時には自分であがいて理解しようすることが大事になります。

 

まずは自力で問題を解こうとチャレンジしようとしてください。

そういった地道な勉強をしていけば、コツを利用することが可能になりますからね。

 

残念なのは、せっかく教わったコツを使いこなせないことです。

せっかく塾に通っているのですから、自分なりにコツを使いこなそうと努力してほしいですね。

 

 

それでは、今日はこの辺で。