学校の英語教育は会話を重視しています。
英語を英語のまま覚えることを狙いとし、小学生は場面に合わせて英語の表現を学んでいきます。
何度も口ずさむと、その英文を流暢に話せるようになります。
音声を聞きながら、その音を真似ながら、英文を復唱していくのです。
こうして、その場面ではこういう英語表現を使うのだと覚えていきます。
そして、小学校で習ったこの表現は中学校に引き継がれていきます。
中学校ではなぜそうなるかの部分も指導するのですが、子どもたちは今までなぜそうなるかを考えずにフレーズを覚えてしまっているので、理解しようとは思いません。
しかも、教科書内容が中1の最初からレベルが高く、小学校の経験だけでは対応できません。
こうして、生徒たちは英語を「雰囲気」で学んでいくことになるのです。
先日、とある中1生がこのような答えを書いていました。
「Are you use this pen?」
これは間違った文です。
では、なぜこの子はこのような英文を書いたのか?
いくつかの要因が考えられますので、その要因を挙げていきます。
①疑問文であること
②主語がyouであること
③雰囲気的には正解っぽく聞こえてしまうこと
①の要因は疑問文を書いているところです。
問題にこの英文を疑問文にしなさいと問われています。
疑問文といったら、Are you ...?でしょと覚えてしまっているので、このように書いてしまった。
②の要因は主語がyouであることです。
youに対応するbe動詞はareですから、後ろの部分を見てすぐにAreを置けば良いと勘違いしてしまったのです。
しかし、注目すべきはuseという一般動詞です。
英文は動詞を二個置くことができませんから、be動詞と一般動詞は同時には置けません。
この部分を理解しないと、この問題は正答を出せないのです。
最後の要因が雰囲気英語です。
声に出してみると、なんとなく正解っぽい響きで英文が読めるのです。
感覚でそれが正解だと勘違いしてしまい、誤答をしてしまったわけです。
実際にこの子は、この答えを直す際も声に出しながら色々な英単語を言ってきました。
「じゃあ、Whatかな・・・う~ん、use you...?かな・・・じゃあ・・・」
とこの子は何個もの英単語を並べては私に「違うよ」とダメだしをくらっていたのです。
ちなみに正答は「Do you use this pen ?」ですよね。
useという一般動詞を使っている以上、一般動詞のルールを使わないといけないのです。
それがこの子にはわかっていないわけです。
英語を理解するというのは、動詞の判別ができるということに他なりません。
おおまかにですが、英文は動詞によって判別されるのです。
それを生徒に理解させないと、英語はわかったことにはならないんですよね。
英会話スクールで幼少期から英語に慣れ親しんだ子でさえも、英文のルールをきちんと理解はできていません。
英語には明確なルールが存在し、そのルールをきちんと覚えないと、正確な英文を書くことができないのです。
この子はまだ英語の指導を受けているので問題はないのですが、外部で英語教育を受けていない子はマズいですよ。
これから本格的に中1生も英語の授業が始まっていくとは思いますが、あっという間に英語弱者になってしまいます。
中学校で英語がつまづけば、それは高校にもつながっていきます。
当たり前ですが、大学入試は英語は必須科目となっています。
英語によって大学合格が決まるといっても過言ではないですからね。
悪いことは言いませんので、英語をなんとかしたいのであれば、早めに教育機関に頼った方がいいと思いますよ。
英語の点数が低いからと塾に入れるのは手遅れなんだと認識してくださいね。
それでは、今日はこの辺で。