長いこと塾講師をやっていますが、生徒の動きを見るとドキッとすることがあります。
とある子が、分数の割り算の分野で逆数を練習する問題を解いていたときのことです。
その子が分数を逆数にしたあと、約分の必要があったので、私が「ここ約分しなきゃダメだよ」と指摘しました。
すると、その子は「逆数のときは約分しなくていいと学校で教わりました」と言ってきたんです。
私は「あぁ、またか・・・」と内心思いつつ、「分数はどんなときでも約分しなくちゃダメだよ。ほら、答えもそう書いてあるでしょう。」と生徒に話しました。
なぜ私が「またか・・・」と思ったのかというと、それは小学校の先生が間違えて教えている状況を何度も見たことがあるからです。
残念ながら、小学校の先生は間違えた知識を生徒に指導しているケースが多いのです。
もちろん、全員ではありません。
ただ、教科専門の中学校・高校の先生と比べて、専門的な知識が乏しいのか、間違って教えているケースが多いんですよね。
例えば、計算の流れを指導する場合、小学校の先生は計算をぶつ切りにして計算するように指導します。
三つ以上の計算があるときに、まず前の二つを書いて計算をさせ、最後に三つ目以降の計算をさせるのです。
別にそれを空いているスペースにメモ書きとして、計算するのなら構いません。
しかし、それを「=」でつないでいる流れの中に入れてしまう・・・
これは「=」の意味がなくなってしまう行為です。
「=」というのは、あくまでも「等しい」という意味なんですよ。
それを計算でつないでいくとすると、前の計算結果と後の計算結果が同じであるという前提のもとに計算をしていかないといけないのです。
しかし、多くのことを同時にできない生徒がいるために、その子への指導のために計算のルールを度外視して、指導してしまうんです。
まぁ、気持ちはわからなくもありませんが、それでは計算はいずれできなくなっていくでしょう。
算数、数学というのは、記号の意味をしっかりと理解して、それを使いこなさないといけないのです。
それを小学校の段階で間違えて指導されてしまうと、子どもは記号の意味を誤解して育ってしまうのです。
しかも、小学校では計算ドリルが宿題となるので、間違った理論のもと計算練習をしてしまうわけです。
真面目な子ほどドリルを頑張って解くでしょうから、どんどん頭の中に刷り込まれてしまうんでしょうね。
このように勘違いから始まった知識を持ったまま指導されてしまうと、数学が得意になること自体が難しくなるかもしれません。
素直な子ほど、先生の言うことは聞いてしまいますからね。
少しでも疑問に思って、自分で調べてくれれば問題ないんですけどね。
とはいえ、この間違いは小学校の先生だけではないんですよね。
以前、中学校の先生の間違いがあることもこのブログで指摘しましたが、往々にして間違えてしまう先生は存在するようです。
私も間違って教えていることもあるので一概に非難はできませんが、それでもある程度はしっかりと勉強した上で、指導をしてほしいですね。
最低でも大学時代に塾講師の経験はしてから、学校の先生をやってほしいですね。
間違って教えられる生徒はたまったものではないですからね。
それでは、今日はこの辺で。