数学というのは面白い教科で、中途半端にできる人というのが極端に少ないんです。
数学が得意な人と、苦手な人の層はうじゃうじゃいるのに、中途半端にできるという人はほとんどいないんです。
普通の教科は中途半端にできる層というのが一番多いものです。
しかし、数学だけは得意・不得意がハッキリする教科なんです。
では、その岐路はいつなのでしょうか。
それは、小学校の算数まで遡らないといけないのです。
実は小学校の算数というのは、とても大事なものなんです。
例えば、分数の原理を学ぶのは小学生です。
分母は何を示し、分子は何を示すのか・・・それを教わるのは小学生のみなんです。
中学生になっても、高校生になっても、分数の原理なるものを教わることはありません。
しかし、この分数の原理は、ずっとつきまとってくるものなんです。
もし、小学校の先生の指導力が乏しく、分数をいいかげんに学んでしまったら、それを挽回する機会はないんです。
なぜなら、分数の原理は小学生の時期にしか習うことはないからです。
また、割合に関しても小学生で習います。
単位量あたりの計算は小5で、比や速さは小6で学ぶのです。
日常生活でも買い物に行けば、2割引きやら、20%OFFのような表示をよく見かけることと思います。
ちなみに、この計算ってちゃんとできますか?
もちろん、暗算でですよ?
計算機を使わずに、ざっとでいいので計算ができるでしょうか?
もし、できないというのであれば、それは小学校のときにしっかりと算数を学んでいなかった可能性が大きいですね。
分数の原理も割合の考え方もすべての基礎は小学校にあるのです。
他にも、小数の原理、面積や体積の考え方、速さの求め方、比の考え方など、多岐にわたって小学校で指導されるのです。
そして、これらの考え方は中学生になっても高校生になっても、数学という教科には当たり前のように出てきてしまうのです。
高校生の多くが数学ができないというのは、学校の先生の説明がわからないからとされています。
これは、学校の先生の指導力の問題ではないんです。
そうではなくて、聞く側の能力の問題なんです。
もし、聞く側に基本的な算数の知識が備わっているなら、高校数学だろうとわからなくなるわけもないんです。
そして、算数の基礎が身についていれば、参考書を読んで自力で勉強することも可能になるんです。
私も高校生を指導していて思うのですが、同じように説明してもわかってくれる子とわかってくれない子が出てくるのです。
よくよくその違いを見てみると、中学生の頃から数学の能力に差があったのです。
ここでいう数学の能力は、数に対する考え方です。
数学が得意な子というのは、今までの積み重ねができています。
今まで学んだことを使って、目の前の数学を解いているのです。
しかし、数学が苦手な子は新しい知識が頭に入ってくると、途端にパニックになります。
新しい知識なんだから、また新しいやり方があるのだと勘違いしてしまうんです。
今まで学んだことを使えば問題はないのに、それを信じることができないのです。
きっと積み重ねがないんでしょうね。
今まで信じて使っていたものを信じ切れないというのは、今までの成功体験が少ないからだと思うのです。
以前、とある数学の苦手な生徒に聞いたことがあります。
「小学生のころ、算数ってちゃんと勉強してたの?」
「計算ドリルを解いたらシールをくれる先生のときは、めっちゃやってました。他の先生のときはあんまりやってませんでしたね・・・」
こういうことなんでしょうね。
この生徒は気分で算数を勉強してしまったばっかりに、積み重ねが途切れてしまったんだと思います。
算数そして数学は積み重ねが大事になります。
そして、小学生の頃に算数を得意になっておかないと、高校で数学を得意でいることはできないでしょう。
今まで数学が苦手だった子が、ある日を境にできるようになる・・・そんなことはありません。
少なくとも私は出会ったことはありません。
すべての勉強は小学生から始まります。
大事なことは、小学生時に手を抜かずに勉強するかどうかなんですよ。
それでは、今日はこの辺で。