中3生になり、高校受験が近づいてくると途端に塾に入れようとする気配が高まりますよね。
今まではのんびりさせていたけど、もう受験生なんだし、塾に入れて勉強してもらおう・・・
そんな考えが透けて見えますね。
しかし、残念ながら今まで勉強の経験がない子が、この時期に塾に入ったところでそこまでの成長はできませんよ。
最低でも、今までテスト前くらいは勉強をしていたという経験がない限り、大きく成長することはないでしょう。
なぜなら、今までの経験値が圧倒的に少ないからなんですよ。
例えば、今の中3生は図形分野の「相似」を習っているのですが、もし、その「相似」を教えるとしても、その生徒が中2の勉強をしていなかったらどうなると思いますか?
中2の頃は「合同」という分野を習っているわけですが、その前に角の名前を指導されているのです。
対頂角に同位角、錯角やら、他にも鋭角、鈍角、底角、対角など、ありとあらゆる角の名前を教わっているのです。
これらを知らない状態で、もし「相似」の指導を受けたら・・・
その生徒は説明されていることの半分も分からずに授業が過ぎていくことでしょう。
証明も指導されることになりますが、大半の子は「合同」の証明すらできませんからね。
「相似」の証明もまぁ分かるわけがないんです。
しかも「相似」には比という考えも必要ですからね。
比を勉強するのは小6がメインで、また中1でも方程式の分野で習いますかね。
小学校の勉強ができない子が比について習っても意味は分からないでしょう。
このように、今までの勉強がつながって今の内容になっているわけですから、もし集団塾にいきなり子どもを入れても、授業の内容を理解することはできないでしょう。
集団塾はカリキュラム通りに授業を進めていきますから、今頃は「相似」も佳境を迎えていることでしょう。
個別指導塾なら、分からないところから戻ってやっていこうとなるでしょうけどね。
ただ、それもどこまで遡ればいいのか分かったものではないですよ。
下手をすると、小学生の内容まで遡らなければいけないかもしれません。
そうなると、高校受験までに指導は間に合わないでしょうね。
最低でもテスト勉強くらいはきちんとさせていれば、いざ高校受験のために塾に入れるとなっても、問題なく成績は上がっていくことでしょう。
勉強はいきなりやらせても効果はないですよ。
大人なら分かると思いますが、例えば法律の話を何も習っていない状態で聞いても何もわからないでしょう?
事前に勉強していたことなら、なんとか理解できるかもしれませんが、事前準備もないし何も経験もしていないでは理解しろという方が無理なんじゃないでしょうかね。
大人だって難しい話は分からないわけですから、子どもはもっと理解することはできないでしょうね。
塾に慌てて入れようとしても、大きな効果は期待できませんよ。
このブログでも何度も書いていますが、最低でも勉強は普段からやらせなきゃダメです。
自分でやってみて、どうにもならなかったら塾に入れればいいのです。
まずはあがいてみることから始めて下さいね。
ちなみに、中3生ですともう塾に入れるのは遅いくらいですから、早めに塾に入れてあげてください。
集団授業塾はついていくのは厳しいでしょうから、個別指導塾に行ったほうがいいかもしれません。
さすがにここから1人で勉強させて経験値を増やしていくっていうのは無理ってものですからね。
もうここまで来たら早めに動くしかないんだと思いますよ。
それでは、今日はこの辺で。