塾が学校よりもわかりやすく指導するのは当たり前のことです。
なぜなら、塾が学校に負けていれば、塾の存在価値がないからです。
誰が好き好んで、学校よりも教え方が下手な授業にお金を払うでしょうか?
お金をいただいている以上、塾の授業は学校よりもわかりやすくあるべきなのです。
だからこそ、塾講師はどうやったらわかりやすくなるのかを毎日のように研鑽します。
以前勤めていた塾では、毎週月曜日に講師が集まって、授業研究を行っていました。
授業をよくするためにはどういったことに気をつけたらいいのかを講師たちで話し合うのです。
毎週、研修を重ねることで、徐々に指導力が強化されていきました。
私の指導技術はそれによって強化されたといってもいいと思います。
このように、塾でわかりやすい授業を提供するのは当たり前のことなのです。
これはどの塾に通おうが同じです。
どこに通おうとも、ある一定以上の授業を受けることはできるでしょう。
そして、こういったわかりやすい授業を受けることで、塾生たちの成績はどんどん上がっていきます。
授業の質が良ければ良いほど、生徒の成績の上がり方も良いものとなっていくでしょう。
とはいえ、このようにわかりやすい授業ばかりを受けているとちょっとした弊害が生まれるのです。
それは学校の先生の授業が分からなくなるということです。
当たり前のことですが、学校の授業も塾の授業も教えている内容に相違はありません。
同じこと内容を説明しているに過ぎないのです。
しかし、その伝え方が違うんです。
塾は生徒にわかりやすいようにかみ砕いて説明します。
本来なら、自分で考えて解釈しなければならない内容も、塾は先回りして指導してしまうのです。
そうして、生徒は苦もなくその内容を理解してしまうわけです。
特にうちのような個別指導であれば、生徒に合わせた授業をしますから、ますます生徒は理解するのが楽なのです。
生徒毎の特徴に合わせて、指導していくのですから、そりゃ簡単に理解できてしまうでしょう。
しかし、学校ではそうはいきません。
学校の先生は全体に指導するように心がけます。
全員がわかるように説明をしていくわけです。
そうなると、極端に能力が低い子に合わせるのではなく、能力が真ん中の子たちが分かってくれることを狙って説明するのです。
そういう指導になってしまうので、能力が低い子は置き去りになります。
ただ、大半の子は授業についてきてくれますから、学校の先生はどんどん授業を進めていくのです。
まぁ、これは仕方がないことではありません。
全員が分かってくれるような授業というのは本来難しいのです。
下の子に合わせて授業をすれば、成績上位の子が飽きてしまいます。
一方で、成績上位の子に合わせて授業をすれば、落ちこぼれの数が跳ね上がるでしょう。
であれば、中位の子たちに合わせて授業をするのは仕方のないことなのです。
学校の授業がわからないと言っている子の多くが能力が下位の子となります。
できればそういう子たちも学校の授業を理解できるようにならないとダメなのです。
そうできないと、中学はまだしも高校の勉強についていけなくなりますからね。
塾に頼りすぎてしまうと、こういう弊害が起こる可能性があります。
塾はあくまでも利用するべきところであり、学校の授業こそ理解できるように努力をしなくてはいけないのだと思います。
誰が説明しても一定の理解ができるように、子ども側もしっかりと聞く姿勢を身につけてほしいですね。
それでは、今日はこの辺で。