私は生徒たちに、いろいろな用語をなるべく漢字で覚えることを指示します。
ご存じの通り、漢字は表意文字であり、その漢字から意味を捉えることが大事なのです。
先日、とある子から理科の相談をされました。
当たり前のことですが、理科の用語でも漢字を大事に扱わないといけません。
例えば、「酸化銀」という言葉です。
これは言葉を見るだけで、何と何でできているかが連想できます。
「酸」の字は酸素を表し、
「化」という字は化合を表し、
「銀」は金属の銀を表すのです。
つまり、これを言葉自体を理解しようとすれば、おのずとどんな物質で構成されているかがわかるのです。
ただ、こういう説明は学校の先生はしてくれません。
そもそもが当たり前の考えであって、わざわざ説明するレベルではないのです。
普段から考えて行動している子は、言葉から意味を引き出すことを自然と身に付けます。
しかし、思考力が乏しい子は、そのことに気づかないのです。
世間でも漢字力の低下は否めません。
SNSを見ていると、間違った漢字を使っていることが多いです。
しかも、大の大人がそうしているのです。
そういった大人が親となり、子どもを育てるのですから、漢字の大事さが伝わらないのも仕方がないかもしれません。
しかし、漢字の意味こそ、語彙力につながりますし、親が唯一子どもに教えてあげられることではないでしょうか。
ぜひ子どもと漢字勝負でもしてみてください。
我が子の漢字力を見てみてほしいのです。
そして、わからない言葉は教えてあげるか、調べさせて下さい。
語彙力がない子は、いずれ勉強はできなくなります。
教科書は日本語で説明されているのですから、その意味を捉えられないと勉強はできなくなるのです。
せっかく小学校で漢字の成り立ちやつくりなどを教わっているのに、それを活かしきれていない子が多いのです。
まぁ、これは小学校の先生の語彙力にも問題があるでしょうけどね。
若い先生たちの多くが語彙力が未熟のまま先生になってしまっているでしょうからね。
先生だからといって、しっかりと漢字を覚えているかどうかは不透明なんですよね。
特に小学校の先生は、その先生自体がどんな教科が得意教科だったかで、持っている知識にも違いが出てきてしまうんですよ。
中高の先生は専門教科ですから、それなりに知識はあるでしょうけどね。
小学校の先生は数学が苦手だった先生もいれば、国語が苦手だった先生もいるわけですから。
漢字のような語彙力は親子の会話がものを言います。
子どもがどんな言葉を知っているのか、それを親がどう伝えたのか、それらは会話量によって変わってきますからね。
ぜひ親子の会話の中で、語彙力の強化をしてみてくださいね。
それでは、今日はこの辺で。