算数・数学には暗黙のルールというものが存在します。
例えば、小学生なら、分数の表記を約分するのは当たり前で、帯分数にできるなら帯分数に直さないといけません。
14/8 = 7/4 = 1 3/4
このように約分してから、帯分数に直さないと丸がもらえません。
比でもそうです。
比を簡単にしなければならないなら、もっとも小さい整数で比を表さないといけないのです。
1.2:1.6 = 12:16 = 3:4
このように小数が入っている比は、10倍して整数に変えてから、約比をしないといけません。
ま、これが算数の常識なのですが、この間の授業で優秀な中3生がこの直しができていなかったのは残念でした。
しかも、小学生の頃に私が指導していた生徒・・・こればっかりはがっくりきましたね。
このように、小学生の算数という範囲だけでも、守らなくてはいけないルールはあるのです。
ちなみに、これができていなかったら、どれだけ計算ができようと正解にはなりません。
同様に中学生になってからの数学のルールも存在するのです。
例えば、文字式のルールです。
文字の前の「1」は省略しないといけません。
3x-2x = 1x と書いたらダメということです。
答えは「x」だけにしなくてはいけません。
これも同様に1を消さずに答えを書いてしまったら、不正解になるのです。
高校の数学だろうが、大学の数学だろうが、数学という世界で答えを書くのなら暗黙のルールは守らなくてはいけないのです。
どれだけ解法が合っていようと、どれだけ計算が合っていようと、最後の答えの表記が間違っていればバツになってしまうのです。
もし、数学の記述問題なら、解法過程を見られて部分点はもらえるでしょう。
しかし、答えだけしか表記しないテストでは、絶対にルールを守らない答えは正解とはならないのです。
学校の定期テストでルールを守っていないなら減点ということはあるでしょうが、完全に丸ということはないのです。
タイトルにある√9は「3」と表記するのが正解です。
これは√の中が平方数の場合、√を外さないといけないルールが存在するからです。
他にも√8 = 2√2 と変えないといけない場合があります。
これも√8では正解とはならないのです。
この変化に関しては、気づかずに√8のまま答えを書いてしまう子が多いのです。
しかし、それはその子の演習量が少ないからいけないのです。
徹底的に計算練習し、自然とその形に変形できるまで、計算問題を解く必要があるのです。
実は、とある学校の先生が定期テストで√9を正解としました。
まぁ、定期テストなのですから、先生の判断で”減点”にするのはいいと思います。
しかし、その誤答を”正解”としてしまうのは、ハッキリ言ってマズいでしょう。
我々、数学を指導するものは、そういう暗黙のルールを生徒に染みこませるために躍起になってチェックします。
私なら指導中、丸付けをするときに、何度もそのルールのミスを指摘します。
生徒が自然と気づけるようになるまで、徹底的に指摘し続けるのです。
子どもたちは最初はルールが身につかなくても、徐々に染みこむようにルールを覚えていきます。
生徒が自然とそれができて初めて、私たちの指導に効果があったことがわかるのです。
√9を正解にされた子は高校生になってからどうするのでしょうか?
高校の先生に「えっ、中学の先生は正解にしてくれましたよ」とでも訴えるのでしょうか?
もちろん、高校では通用しないでしょうね。
ですが、それはその子のせいではなく、それを正解にしてしまった中学の先生が悪いのです。
もし、中学の先生が悪くないのであれば、子どもたちは何を信じて教育を受ければいいのかということになってしまいます。
件の先生がこのブログを見ることはないでしょうが、そういう指導は今後は辞めてもらいたいですね。
我々教師は生徒になるべくにはなりますが、真実を指導する義務があるのですから。
最低でも間違った知識だけは子どもに教えるのはどうかと思いますよ。
それでは、今日はこの辺で。